二次式と二次形式
一変数の二次式といえばの形をした式である。 ただし、をで置き直して、一次の項に係数をつけたの形で考えることも多い。
変数の二次式は次正方行列と次ベクトル、スカラーを用いてスカラー積により
の形で表される式である。 ここでに対してであることから
とできるため、は対称行列であると考えても差し支えない。
さらに二次式の中でも一次の部分と定数項がないものを二次形式と呼ぶ。 つまり、変数の二次形式は次対称行列を用いて
の形で表される式である。
二次式と平方完成
平方完成とは一変数の場合にはの時に
と変形することをいう。 二次式の場合には以下の定理が成り立つ。
定理 1 (平方完成)
を次対称正則行列でを次ベクトル、をスカラーとする時、
が成り立つ。
例 2
3つの実数に対して
とおく、このとき6つの実数に対して、
が成り立つことを示す。
左辺をとおいてについての二次式とみなすことで
ここでの逆行列の計算が必要になり、掃き出し法を実行してもよいが、ここでは以下のように考えてみよう。 つまり、とおくと、でなので、つまり
がわかる。 また、は正定値であることに注意する。 ここで, とおくと、
平方完成して、は正定値であることから
である。 ここで
なので、
が得られる。