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種々の関数

多項式関数

実数𝑥と自然数𝑛=0,1,2,3,…に累乗𝑥𝑛を対応させる関数を累乗関数あるいは自然数べき関数という。 <t_ex_conti> と<t_conti_arith> から、累乗関数𝑓(𝑥)=𝑥𝑛はℝ上の連続関数である。

𝑎0,𝑎1,𝑎2,𝑎3,…,𝑎𝑛を𝑛+1個の実数定数として得られる多項式関数

𝑓(𝑥)=𝑎0+𝑎1𝑥+𝑎2𝑥2+𝑎3𝑥3+…+𝑎𝑛𝑥𝑛

はℝ上の連続関数である。 もし𝑎𝑛≠0ならば上の多項式関数𝑓の次数は𝑛とし、𝑓(𝑥)=0は特別に次数は−∞とする。

多項式関数の𝑥→±∞での極限では最高次の項𝑎𝑛𝑥𝑛が支配的になる。

命題 1 (多項式関数の無限大での極限)

𝑓を𝑛次の多項式関数𝑓(𝑥)=𝑎0+𝑎1𝑥+𝑎2𝑥2+𝑎3𝑥3+…+𝑎𝑛𝑥𝑛で、𝑛≥1とする。

  • 𝑎𝑛>0の時、lim𝑥→+∞𝑓(𝑥)=+∞であり、𝑛が偶数ならばlim𝑥→−∞𝑓(𝑥)=+∞、𝑛が奇数ならばlim𝑥→−∞𝑓(𝑥)=−∞である。
  • 𝑎𝑛<0の時、lim𝑥→+∞𝑓(𝑥)=−∞であり、𝑛が偶数ならばlim𝑥→−∞𝑓(𝑥)=−∞、𝑛が奇数ならばlim𝑥→−∞𝑓(𝑥)=+∞である。

注意 2

𝑛が奇数の時はlim𝑥→+∞𝑓(𝑥)とlim𝑥→−∞𝑓(𝑥)で符号が異なるので、中間値の定理から𝑓(𝑥)=0の実数解が少なくとも1つ存在することがわかる。 𝑛が偶数の時は実数解が存在しない場合がある。

べき関数

0でない実数𝑥と整数𝑛に対して整数べき𝑥𝑛を対応させる関数を整数べき関数という。 整数べき関数𝑓(𝑥)=𝑥𝑛は常にℝ\{0}上の連続関数である。 もちろん𝑛が自然数の時は累乗関数なのでℝ上の連続関数でもある。

以降では指数𝑛を有理数や実数に拡張する。 そのためにまず、正の整数𝑚=1,2,3,…に対して指数が分数1𝑚の場合を考える。 それを累乗関数𝑔(𝑦)=𝑦𝑚の逆関数として定義したい。 0≤𝑎<𝑏を満たす拡大実数𝑎,𝑏に対して𝑎𝑚<𝑏𝑚より関数𝑔は狭義単調増加な連続関数で𝑔(0)=0, lim𝑥→+∞𝑔(𝑥)=+∞が成り立つ。 したがって逆関数の定理から非負の実数𝑥に対して定義された𝑔の逆関数𝑓(𝑥)が存在し、𝑓も狭義単調増加な連続関数で𝑓(0)=0, lim𝑦→+∞𝑓(𝑦)=+∞が成り立つ。 この逆関数を累乗根関数といい𝑓(𝑥)=𝑥𝑚と表す。 累乗根関数は[0,∞)上の連続関数であり、∞𝑚=∞と考えることで[0,∞]上の連続関数としても扱える。 また、その値𝑎𝑚を非負の拡大実数𝑎の𝑚乗根といい、そのような数を累乗根という。 𝑚乗根𝑏=𝑎𝑚は𝑦についての方程式𝑦𝑚=𝑎の一意な非負実数解である。

𝑚=1の時は𝑎𝑚=𝑎に他ならない。 𝑚=2の時を特別に平方根関数、平方根といい、𝑥=𝑥2, 𝑎=𝑎2と書く。

整数げきと累乗根により、指数が有理数𝑏=𝑛𝑚 (𝑛∈ℤ, 𝑚=1,2,3,…)の場合の分数べきあるいは有理数べきを正の数𝑎に対して

𝑎𝑏=𝑎𝑛𝑚

として定義できる。 この値は有理数𝑏の表現𝑛𝑚によらないことに注意する。

指数が実数𝑏の場合を考えるにあたって、有理数𝑥に対して定義された関数𝑓(𝑥)=𝑎𝑥は𝑎>1のとき狭義単調増加で、0<𝑎<1のとき狭義単調減少で、𝑎=1のとき定数関数1であることに注意する。 そこで実数𝑏に対してべきあるいは実数べきを正の実数𝑎に対して

𝑎𝑏={sup{𝑎𝑥|𝑥∈ℚ,𝑥≤𝑏}(𝑎≥1),inf{𝑎𝑥|𝑥∈ℚ,𝑥≤𝑏}(𝑎≤1)

と定義する。

一般のべきに対する指数法則は次のように表現される。

命題 1 (指数法則)

  1. 任意の正の実数𝑎と実数𝑏,𝑐に対して𝑎𝑏+𝑐=𝑎𝑏𝑎𝑐が成り立つ。
  2. 任意の正の実数𝑎と実数𝑏,𝑐に対して(𝑎𝑏)𝑐=𝑎𝑏𝑐が成り立つ。
  3. 任意の正の実数𝑎,𝑏と実数𝑐に対して(𝑎𝑏)𝑐=𝑎𝑐𝑏𝑐が成り立つ。

以上によって一般の指数に対するべきが定義された。 指数を固定した状態で底を変数とする関数𝑥𝑏はべき関数と呼ばれる。 べき関数は(0,∞)上の連続関数である。 𝑏>0のときは0𝑏=0, ∞𝑏=∞と、𝑏<0のときは0𝑏=∞, ∞𝑏=0と、𝑏=0のときは00=1, ∞0=1とそれぞれ考えると、べき関数𝑥𝑏は[0,∞]上の連続関数である。

指数関数

べき関数𝑥𝑏が指数𝑏を固定して底についての関数であるのに対して、 底を固定して指数についての関数𝑎𝑥を指数関数という。 つまり、正の実数𝑎に対して、関数exp𝑎(𝑥)=𝑎𝑥を𝑎を底とする指数関数という。

指数関数exp𝑎はℝ上の連続関数であり、常にexp𝑎(𝑥)>0が満たされる。 拡大実数±∞に拡張すると、 𝑎>1のときexp𝑎(−∞)=0, exp𝑎(+∞)=∞と、0<𝑎<1のときexp𝑎(−∞)=∞, exp𝑎(+∞)=0と、𝑎=1のときexp1(−∞)=exp1(+∞)=1と考えることで、指数関数exp𝑎はℝ̄上の連続関数である。 また、𝑎>1のときexp𝑎は狭義単調増加で、0<𝑎<1のときexp𝑎は狭義単調減少で、𝑎=1のときexp1は定数関数1である。

今後の理論の展開において重要な極限として次がある。

定理 1

実数列((1+1𝑛)𝑛)𝑛=1∞は有限値に収束する。

この時の極限を𝑒とおきネイピア数という。

𝑒=lim𝑛→+∞(1+1𝑛)𝑛=2.7182818284…

である。 ネイピア数は指数関数・対数関数の微分積分において重要な役割を果たす定数である。

証明

二項定理より

(1+1𝑛)𝑛=∑𝑘=0𝑛(𝑛𝑘)1𝑛𝑘=∑𝑘=0𝑛1𝑘!𝑛(𝑛−1)…(𝑛−𝑘+1)𝑛𝑘=∑𝑘=0𝑛1𝑘!(1−1𝑛)…(1−𝑘−1𝑛)

である。 ここで𝑖=1,…,𝑘−1に対して(1−𝑖𝑛)<(1−𝑖𝑛+1)より、

(1+1𝑛)𝑛<∑𝑘=0𝑛1𝑘!(1−1𝑛+1)…(1−𝑘−1𝑛+1)<∑𝑘=0𝑛+11𝑘!(1−1𝑛+1)…(1−𝑘−1𝑛+1)=(1+1𝑛+1)𝑛+1

つまり実数列((1+1𝑛)𝑛)𝑛=1∞は単調増加である。 また、

(1+1𝑛)𝑛<∑𝑘=0𝑛1𝑘!<1+∑𝑘=1𝑛12𝑘−1=1+1−(12)𝑛1−12<3.

つまり上に有界も示された。 よって、単調収束定理(<t_mono_conv>)より数列((1+1𝑛)𝑛)𝑛=1∞は収束する。

注意 2

この証明と𝑛=1のときを考えると、2<𝑒≤3がわかり、だいたいの値として覚えるとよい。 また、𝑒≤∑𝑘=0∞1𝑘!もわかるが、実は等号が成り立つ。 このことについては微分の章のテイラーの定理や級数の章のべき級数を参照すること。

注意 3

証明のうち単調性の部分は、任意の非負の実数𝑥に対して

(1+𝑥𝑛)𝑛≤(1+𝑥𝑛+1)𝑛+1

に容易に拡張できる。

命題 4

ネイピア数について極限の式

lim𝑥→+∞(1+1𝑥)𝑥=lim𝑥→−∞(1+1𝑥)𝑥=lim𝑥→0(1+𝑥)1𝑥=𝑒

が成り立つ。

証明

まず0<𝑥≤𝑦を満たす実数𝑥,𝑦に対して

(1+1𝑥)𝑥≤(1+1𝑦)𝑦

を示す。 関数(1+1𝑥)𝑥は連続関数なので、𝑥,𝑦が有理数の場合に成り立つことを示せば十分である。 そこで、有理数を通分して𝑘=1,2,3,…を用いて𝑥=𝑛𝑘, 𝑦=𝑚𝑘と表すと、0<𝑛≤𝑚を満たす整数𝑛,𝑚が得られる。 このとき、𝑥=𝑘として式 (0.1) を用いることで、(1+𝑘𝑛)𝑛≤(1+𝑘𝑚)𝑚より𝑘乗根を取ることで式 (0.2) が得られる。 ここで、1以上の実数𝑥に対して、𝑛=⌊𝑥⌋とおくと𝑛≤𝑥<𝑛+1より

(1+1𝑛)𝑛≤(1+1𝑥)𝑥≤(1+1𝑛+1)𝑛+1

が成り立つ。 よって、𝑥→+∞で𝑛→∞となり、ネイピア数の定義より最左辺と最右辺がともに𝑒に収束することからlim𝑥→+∞(1+1𝑥)𝑥=𝑒である。 次に

(1−1𝑥)−𝑥=(𝑥𝑥−1)𝑥=(1+1𝑥−1)𝑥=(1+1𝑥−1)𝑥−1(1+1𝑥−1)

なので、やはりlim𝑥→+∞(1−1𝑥)−𝑥=𝑒であり、 𝑥を−𝑥に置き換えることで、lim𝑥→−∞(1+1𝑥)𝑥=𝑒が得られる。 さらに𝑥を1𝑥で置き換えることで、

lim𝑥→0+(1+𝑥)1𝑥=lim𝑥→0−(1+𝑥)1𝑥=𝑒

がわかり、右極限と左極限が一致しているのでlim𝑥→0(1+𝑥)1𝑥=𝑒である。

𝑥を有限の実数としたとき、𝑛→∞で𝑥𝑛→0より

(1+𝑥𝑛)𝑛=[(1+𝑥𝑛)𝑛𝑥]𝑥→𝑒𝑥

が成り立つ。

ネイピア数𝑒を底とする指数関数exp𝑒𝑥=𝑒𝑥を単にexpで表す。

対数関数

𝑎を𝑎>0, 𝑎≠1を満たす実数とする。 この時、前節の内容から指数関数exp𝑎に逆関数が存在し𝑎を底とする対数関数といいlog𝑎で表す。 正の実数𝑥に対して対数関数の値log𝑎𝑥を𝑎を底とする真数𝑥の対数という。

対数関数log𝑎は(0,∞)上の連続関数であり、拡大実数の範囲では[0,∞]上の連続関数である。 𝑎>1のときlog𝑎は狭義単調増加でlog𝑎0=−∞, log𝑎∞=+∞が成立し、 0<𝑎<1のときlog𝑎は狭義単調減少でlog𝑎0=+∞, log𝑎∞=−∞が成立する。 任意の𝑥∈[0,∞]に対してexp𝑎(log𝑎𝑥)=𝑥で、 任意の𝑦∈ℝ̄に対してlog𝑎(exp𝑎𝑦)=𝑦が成り立つ。

指数法則に対応して、次の対数法則が成り立つ。

命題 1 (対数法則)

  1. 任意の正の実数𝑥,𝑦に対してlog𝑎𝑥𝑦=log𝑎𝑥+log𝑎𝑦が成り立つ。
  2. 任意の正の実数𝑥と実数𝑐に対してlog𝑎𝑥𝑐=𝑐log𝑎𝑥が成り立つ。

ネイピア数𝑒を底とする対数を自然対数といい、関数log𝑒を単にlogで表す。

命題 2

極限の式

lim𝑥→0log(1+𝑥)𝑥=1,lim𝑥→0𝑒𝑥−1𝑥=1

が成り立つ。

証明

一つ目の式は命題 4 の三つ目の極限で自然対数を取れば直ちに得られる。 二つ目の式は𝑡=𝑒𝑥−1と置き換えることで、𝑥→0で𝑡→0となることと𝑥=log(1+𝑡)より、

lim𝑥→0𝑒𝑥−1𝑥=lim𝑡→0𝑡log(1+𝑡)=1

である。 ここですでに得られた一つ目の式を使った。

三角関数

直角三角形の辺の長さの比から定まる三角比をもとにした正弦関数sin𝑥、余弦関数cos𝑥、正接関数tan𝑥は次を満たす関数であり、まとめて三角関数という。

  • sin𝑥とcos𝑥はともにℝ上の実数値連続関数であり、任意の実数𝑥に対して

    cos2𝑥+sin2𝑥=1

    が成り立つ。

  • 𝜋=3.1415926535…として、sin𝑥とcos𝑥はともに周期2𝜋を持つ、 つまり任意の実数𝑥に対して

    sin(𝑥+2𝜋)=sin𝑥,cos(𝑥+2𝜋)=cos𝑥

    が成り立つ。

  • sin0=0, sin𝜋6=12, sin𝜋4=12, sin𝜋3=32, sin𝜋2=1で、 実数𝑥に対して

    sin(𝜋2−𝑥)=cos𝑥,sin(𝜋−𝑥)=sin𝑥,sin(−𝑥)=−sin𝑥

    が成り立つ。

  • sin𝑥は[−𝜋2,+𝜋2]で狭義単調増加で、cos𝑥は[0,𝜋]で狭義単調減少である。
  • 加法定理、つまり任意の実数𝑥, 𝑦に対して、

    sin(𝑥+𝑦)=sin𝑥cos𝑦+cos𝑥sin𝑦,cos(𝑥+𝑦)=cos𝑥cos𝑦−sin𝑥sin𝑦

    が成り立つ。

  • 極限の式

    lim𝑥→0sin𝑥𝑥=1

    が成り立つ。

  • tan𝑥=sin𝑥cos𝑥であり、𝑥∈ℝ\{𝜋2+𝑛𝜋|𝑛∈ℤ}に対して定義される。 tan𝑥はtan(−𝜋2)=−∞, tan(+𝜋2)=+∞とすると、[−𝜋2,+𝜋2]上の狭義単調増加な連続関数である。

ただし、途中に出てくる定数𝜋を円周率という。 (sin𝑥)𝑛などはしばしばsin𝑛𝑥と記述される。

このテキストではこれらの三角関数は存在するものとして話を進める。 三角関数の定義つまりこれらの性質を満たす関数の構成は、指数関数の複素数への拡張による方法やべき級数による方法、微分方程式の解として特徴づける方法などがあるが、現段階の知識ではうまく定義できない。 ただし最初の方法についてあらましを述べると、指数関数を複素数𝑧に拡張してexp𝑧=𝑒𝑧を構成するとオイラーの関係式𝑒𝑖𝑥=cos𝑥+𝑖sin𝑥によって三角関数cos𝑥とsin𝑥を得る。 複素数に拡張しても複素数𝑧, 𝑤に対して指数法則𝑒𝑧+𝑤=𝑒𝑧𝑒𝑤と極限𝑒𝑧−1𝑧=1 (𝑧→0)が成り立つので、三角関数の加法定理と極限の式が導かれる。 加法定理より指数法則の方が単純で覚えやすいので、加法定理を忘れたとしても指数法則とオイラーの関係式から導くことができる。

逆三角関数

正弦関数sin𝑦は[−𝜋2,+𝜋2]上で狭義単調増加な連続関数でsin(−𝜋2)=−1, sin(+𝜋2)=+1より、sin𝑦の逆関数として逆正弦関数arcsin𝑥が[−1,+1]上の[−𝜋2,+𝜋2]値の狭義単調増加な連続関数として得られる。 余弦関数cos𝑦は[0,𝜋]上で狭義単調減少な連続関数でcos0=+1, cos𝜋=−1より、cos𝑦の逆関数として逆余弦関数arccos𝑥が[−1,+1]上の[0,𝜋]値の狭義単調減少な連続関数として得られる。 正接関数tan𝑦は[−𝜋2,+𝜋2]上で狭義単調増加な連続関数でtan(−𝜋2)=−∞, tan(+𝜋2)=+∞より、tan𝑦の逆関数として逆正接関数arctan𝑥がℝ̄上の[−𝜋2,+𝜋2]値の狭義単調増加な連続関数として得られる。 これらの関数をまとめて逆三角関数という。

例 1

逆三角関数は三角比を角度に変換し、三角関数と合成させることで三角比や角度を別の三角比や角度に変換できる。 例えば、𝑥∈[−1,+1]に対して、arcsin𝑥∈[−𝜋2,+𝜋2]より、

cos(arcsin𝑥)=1−sin2(arcsin𝑥)=1−𝑥2

である。

双曲線関数

実数𝑥に対して次で定まるℝ̄上の関数として双曲線正弦関数sinh𝑥、双曲線余弦関数cosh𝑥、双曲線正接関数tanh𝑥を導入する。

sinh𝑥=𝑒𝑥−𝑒−𝑥2,sinh(−∞)=−∞,sinh(+∞)=+∞,cosh𝑥=𝑒𝑥+𝑒−𝑥2,cosh(−∞)=+∞,cosh(+∞)=+∞,tanh𝑥=sinh𝑥cosh𝑥,tanh(−∞)=−1,tanh(+∞)=+1.2

これらの関数をまとめて双曲線関数という。

この定義からすぐに以下の性質がわかる。

  • sinh𝑥とcosh𝑥はともにℝ̄上の連続関数であり、任意の𝑥∈ℝに対して

    cosh2𝑥−sinh2𝑥=1

    が成り立つ。

  • sinh𝑥はℝ̄で狭義単調増加で、cosh𝑥は[−∞,−0]で狭義単調減少、[+0,+∞]で狭義単調増加である。
  • sinh0=0, sinh∞=+∞, cosh0=1, cosh∞=+∞で、 拡大実数𝑥に対して

    sinh(−𝑥)=−sinh𝑥,cosh(−𝑥)=cosh𝑥

    が成り立つ。

  • 加法定理、つまり任意の実数𝑥,𝑦に対して、

    sinh(𝑥+𝑦)=sinh𝑥cosh𝑦+cosh𝑥sinh𝑦,cosh(𝑥+𝑦)=cosh𝑥cosh𝑦+sinh𝑥sinh𝑦

    が成り立つ。

  • 極限の式

    lim𝑥→0sinh𝑥𝑥=1

    が成り立つ。

  • tanh𝑥はℝ̄上の連続関数である。

最初の等式は平面上の点(cosh𝑥,sinh𝑥)が双曲線𝑥2−𝑦2=1上の点であることを表しそこから双曲線関数と呼ばれる。 (sinh𝑥)𝑛などはしばしばsinh𝑛𝑥と記述される。

逆双曲線関数

双曲線正弦関数sinh𝑦はℝ̄上で狭義単調増加な連続関数でsinh(−∞)=−∞, sinh(+∞)=+∞より、sinh𝑦の逆関数として逆双曲線正弦関数arsinh𝑥がℝ̄上のℝ̄値の狭義単調増加な連続関数として得られる。 双曲線余弦関数cosh𝑦は[0,∞]上で狭義単調増加な連続関数でcosh0=1, cosh∞=∞より、cosh𝑦の逆関数として逆双曲線余弦関数arcosh𝑥が[1,∞]上の[0,∞]値の狭義単調増加な連続関数として得られる。 双曲線正接関数tanh𝑦はℝ̄上で狭義単調増加な連続関数でtan(−∞)=−1, tanh(−∞)=+1より、tanh𝑦の逆関数として逆双曲線正接関数artanh𝑥が[−1,+1]上のℝ̄値の狭義単調増加な連続関数として得られる。 これらの関数をまとめて逆双曲線関数という。

上では逆双曲線関数を抽象的に定義したが、双曲線関数の表示にもとづいてsinh𝑦=𝑒𝑦−𝑒−𝑦2=𝑥を𝑥について解くことで、実数𝑥に対して次の表示が得られる。

arsinh𝑥=log(𝑥+𝑥2+1),arcosh𝑥=log(𝑥+𝑥2−1)(𝑥≥1),artanh𝑥=(12)log1+𝑥1−𝑥(−1<𝑥<+1).

その他の関数

拡大実数𝑥に対して絶対値|𝑥|を対応させる関数を絶対値関数といいabsや|𝑥|と表す。 絶対値関数は|−∞|=|+∞|=∞としてℝ̄上の連続関数である。

拡大実数𝑥に対して次の符号sgn(𝑥)を対応させる関数を符号関数といいsgnと表す。

sgn(𝑥)={+1(𝑥>0),0(𝑥=0),−1(𝑥<0).

符号関数はℝ̄\{0}で連続関数であるが0で連続でない。

実数𝑥に対して床⌊𝑥⌋を対応させる関数を床関数といいfloorや⌊𝑥⌋と表す。 実数𝑥に対して天井⌈𝑥⌉を対応させる関数を天井関数といいceilや⌈𝑥⌉と表す。 床関数と天井関数はℝ\ℤで連続関数であるが整数の点で連続でない。 しかしながら、右連続・左連続を考えると、床関数は整数の点でも右連続で、天井関数は整数の点でも左連続である。