正測体と正軸体の体積
正測体とは線分、正方形、立方体といったものを次元について一般化したもので、 原点を中心とした半径の次元正測体を
として定義される。 これはとも表記されるため、一辺の長さがとも言えるが、次に述べる正軸体との兼ね合いで半径という用語を使って表現する。 この次元正測体の体積は次元立方体の体積なので、
である。
正軸体は線分、正方形、正八面体の一般化で、 原点を中心とした半径の次元正軸体を
として定義される。 この正軸体の体積はカヴァリエリの原理より次数についての帰納法で求めることができる。 つまり、においてを固定した時の切り口はより
ここでとできると考えられ、
よって、
なので、であり、
を得る。
球の体積
原点を中心とした半径の次元球
の体積を考える。 正軸体の体積同様、カヴァリエリの原理より
でに注意して、とできることがわかる。 このときを求めることは積分
の計算に帰着される。
この計算はできないことはないが面倒なのでここでは別のアプローチを取る。 つまりカヴァリエリの原理を適用するときに変数分使ってとして
となり、極座標変換により
つまり、
よりをの偶奇に分けて計算すると
がわかる。 なおこれはガンマ関数を使えば、, , より、
と表すことができる。
ガウス積分
ガウス積分とはガウス関数の広義積分
のことである。
ここでは重積分の極座標変換を用いたガウス積分の計算を紹介する。 まず、重積分にするためにガウス積分の二乗を考えると
となる。 ここで極座標変換をするとヤコビアンはで平面での(正確には面積零集合である軸の以上の部分を除いたもの)は平面でのに対応するので、
以上よりガウス積分の値を得る。 感覚的な説明としてはこの通りだが、細かいことを言うと広義累次積分の定理が使えるのは広義重積分が収束する場合なので、 先に広義重積分を極座標変換で収束することを示しておく方が厳密な議論としては適切である。
この他にもを固定した時のという変換により
ここでフビニの定理より
となる。
ベータ関数
ガンマ関数が階乗の拡張だったように、二項係数の拡張がベータ関数である。 ベータ関数は二変数関数である。 二項係数は階乗を使って表されるように、ベータ関数はガンマ関数を使って
となるように設計される。 実際のところ上記をベータ関数の定義としても良いが、ここでは以下のようにして定義する。
定義 1 (ベータ関数)
二つの正の実数に対して積分
を対応させる関数をベータ関数という。
またはの場合、この積分は広義積分となるがの周辺でのより大きい次数なので積分は常に収束し、ベータ関数はで定義される。
ここでと置換することで
であることに注意する。
定理 2 (ベータ関数とガンマ関数)
に対して
が成り立つ。
証明
ガンマ関数はと置換し
であることに注意する。 よって、
である。 ここで極座標変換, することで
を得る。
ディリクレ積分
条件収束するシンク関数の広義積分の値は
であり、ディリクレ積分として知られている。 ここではディリクレ積分の値を一様収束を使った議論で導出する。 本節の執筆にあたっては<r_o08> を参考にした。
まず、に対して
であることに注意する。 さらにこの式はでも、なので、成立する。 そのためディリクレ積分は累次積分
となることから積分の順序交換をしたいが、この積分領域上の広義積分は絶対収束しないので直接は利用できない。 そこで常套手段としてで早く減少する ()を付け加えた重積分
を代わりに考える。 この積分は
なので、広義積分可能である。 先にで積分することを考えるとに対して
より
なので、
つまり
を得る。 ここでは上の連続関数で、よりワイエルシュトラスのM判定法から左辺の広義積分はについて一様収束するので、収束先も連続関数であることから
を得る。
上記の方法はという三つの変数の組み合わせをうまく取り替えることでディリクレ積分を計算したが、に対して
であることに注目するとディリクレ積分は累次積分
の積分の順序交換に帰着される。 これはを固定すると
より、積分の順序交換により
あとはとして最後の積分項がに収束することを示す。 実際、
であるので、 ディリクレ積分とその収束の速さ
が正当化される。
フレネル積分
次の条件収束する広義積分とその値
をフレネル積分という。 と置換することでこの積分は
に帰着される。 ここではこのフレネル積分の値をディリクレ積分の値の二つ目の導出法を参考に計算する。 本節も<r_o08> を参考にした。
まず、ガウス積分によりに対して
であるから
となる。 これはやはりを固定すると
なので、積分の順序交換により
ここでにおいて
なので、フレネル積分とその収束の速さ
を得る。